後遺障害認定|口の障害

口の障害

<口とは>
口は、唇・顎・舌・歯などの働きにより、食物の咀嚼機能や発声器である喉頭とともに共鳴作用をして、言語の機能をつかさどるところです。

<口の後遺障害>
口の後遺障害は、①咀嚼及び言語機能障害、②歯牙障害に分かれます。
また、障害等級に定められていない障害(味覚障害、嚥下障害等)は、その障害の程度に応じて、相当等級が認定されます。

<後遺障害別等級表・労働能力喪失表・慰謝料表>

  等級 後遺障害 労働能力喪失率 慰謝料額
:裁判基準
咀嚼及び言語機能障害 1級2号 咀嚼及び言語の機能を廃しもの 100/100 2,800万円
3級2号 咀嚼又は言語の機能を廃したもの 100/100 1,990万円
4級2号 咀嚼及び言語の機能に著しい障害を残すもの 92/100 1,670万円
6級2号 咀嚼又は言語の機能に著しい障害を残すもの 67/100 1,180万円
9級6号 咀嚼及び言語の機能に障害を残すもの 35/100 690万円
10級3号 咀嚼または言語の機能に障害を残すもの 27/100 550万円
12級相当 開口障害等を原因として咀嚼に相当時間を要するもの 20/100 290万円
歯牙障害 10級4号 14歯以上に対し歯科補てつを加えたもの 27/100 550万円
11級4号 10歯以上に対し歯科補てつを加えたもの 20/100 420万円
12級3号 7歯以上に対し歯科補てつを加えたもの 14/100 290万円
13級5号 5歯以上に対し歯科補てつを加えたもの 9/100 180万円
14級2号 3歯以上に対し歯科補てつを加えたもの 5/100 110万円
味覚障害 12級相当 味覚脱失 14/100 290万円
14級相当 味覚減退 5/100 110万円
嚥下障害   咀嚼機能障害に準じる    

咀嚼及び言語機能障害について

咀嚼とは、かみ砕くことです。咀嚼の機能障害は、不正な噛み合わせ、嚼を司る筋肉の異常、顎関節の障害、開口障害、歯牙損傷等から生じます。
言語の機能障害としては、発声機能障害・構音機能障害・綴音機能障害等があります。

  等級 後遺障害 労働能力喪失率 慰謝料額
:裁判基準
咀嚼及び言語機能障害 1級2号 咀嚼及び言語の機能を廃したもの(*1) 100/100 2,800万円
3級2号 咀嚼又は言語の機能を廃したもの 100/100 1,990万円
4級2号 咀嚼及び言語の機能に著しい障害を残すもの(*2) 92/100 1,670万円
6級2号 咀嚼又は言語の機能に著しい障害を残すもの 67/100 1,180万円
9級6号 咀嚼及び言語の機能に障害を残すもの(*3) 35/100 690万円
10級3号 咀嚼または言語の機能に障害を残すもの(*4) 27/100 550万円
12級相当 開口障害等を原因として咀嚼に相当時間を要するもの 20/100 290万円
(*1):「咀嚼」の「機能を廃したもの」とは、流動食以外は摂取できない状態です。
また、「言語」の「機能を廃したもの」とは、4種の語音(口唇音・歯舌音・口蓋音・喉頭音)のうち、3種以上が発音不能になったものです。
(*2):「咀嚼」の「機能に著しい障害を残すもの」とは、粥食またはこれに準ずる程度の飲食物以外は摂取できないものです。また、「言語」の「機能に著しい障害を残すもの」とは、4種の語音のうち、2種が発不能になったもの、または綴音機能に障害があるため、言語のみでは意思を疎通することができないものです。
(*3):「咀嚼」の「機能に障害を残すもの」とは、固形食物の中に岨境ができないものがあることまたは咀嚼が十分にできないものがあり、そのことが医学的に確認できる場合です。「医学的に確認できる場合」とは、不正嘆合、咀嚼関与筋群の異常、顎関節の障害、開口障害、歯牙損傷(補綴ができない場合)等咀嚼ができないものがあること、または咀嚼が十分にできないものがあることの原因が医学的に確認できることです。「固形食物の中に咀嚼ができないものがあることまた咀嚼が十分にできないものがあり」の例としては、ごはん、煮魚、ハム等は咀嚼できるが、たくあん、らっきょう、ピーナッツ等の一定の固さの食物中に咀嚼できないものがあることまたは咀嚼が十分にできないものがあるなどの場合です。
また、「言語の機能に障害を残すもの」とは、4種の語音のうち、1種が発音不能となったものです。語音の1種の発音不能とは、たとえば口唇音であればそのすべての音が発音できないものです。
(*4)「開口障事等を原因として」とは、開口障害、不正嘆合、咀嚼関与筋群の脆弱化等を原因として、咀嚼に相当時間を要することが医学的に確認できることです。
「咀嚼に相当時間を要する場合」とは、日常の食事において食物の咀嚼はできるものの、食物によっては咀嚼に相当時間を要することがあることです。開口障害等の原因から、咀嚼に相当時間を要することが合理的に推測できれば、「相当時間を要する」に該当するものとして取り扱って差し支えないとされています。

歯牙障害障害について

永久歯は上が14、下が14の計28歯です。歯の後遺障害は10級から14級までの5段階で評価されます。

  等級 後遺障害 労働能力喪失率 慰謝料額
:裁判基準
歯牙障害 10級4号 14歯以上に対し歯科補てつを加えたもの(*1) 27/100 550万円
11級4号 10歯以上に対し歯科補てつを加えたもの 20/100 420万円
12級3号 7歯以上に対し歯科補てつを加えたもの 14/100 290万円
13級5号 5歯以上に対し歯科補てつを加えたもの 9/100 180万円
14級2号 3歯以上に対し歯科補てつを加えたもの 5/100 110万円
(*1):「歯科補てつを加えたもの」とは、現実に喪失又は著しく欠損した歯牙に対する補てつをいいます。

味覚障害について

頭部外傷や顎部周囲組織の損傷や、舌の損傷によって生じる味覚障害については定めがありません。味覚脱矢については12級相当、味覚減退については14級相当となります。
味覚障害は、日時の経過により漸次回復する場合が多いので、等級の認走は、原則として、治癒してから6ケ月後に行ないます。

  等級 後遺障害 労働能力喪失率 慰謝料額
:裁判基準
味覚障害 12級相当 味覚脱失(*1) 14/100 290万円
14級相当 味覚減退(*2) 5/100 110万円
(*1):味覚脱矢とは、濾紙ディスク法による最高濃度液による検査により、基本4味質(甘味・塩味・酸味・苦味)がすべて認知できないものです。
(*2):味覚減退とは、基本4味質のうち1味質以上を認知できないものです。

嚥下障害について

嚥下とは、口腔内の物体を胃に送り込む一連の運搬動作です。そして、嚥下障害とは、食物を飲み下すことができない状況を意味します。
嚥下障害については、その障害の程度に応じて、咀嚼機能障害にかかる等級を準用します。したがって、嚥下の機能を廃したものは第3級相当、嚥下の機能に著しい障害を残すものは第6級相当、また、嚥下の機能に障害を残すものは10級相当となります。(平成18年4月1日以後発生の事故については、食道の狭さくによる通過障害は、胸部腹部臓器の障害として評価することとされています。)

醜状障害について

  等級 後遺障害 労働能力喪失率 慰謝料額
:裁判基準
醜状障害 14級4号 下肢の露出面に手のひらの大きさの醜いあとを残すもの 5/100 110万円