労働災害と後遺障害・等級認定

1 労働災害と後遺障害等級認定の関係

労働災害で後遺障害が遺った場合、入院や通院に関する「療養給付」や仕事を休んだことに伴う「休業給付」とは別に、障害給付を受けることができます。障害給付には障害年金と障害一時金があり、それぞれ後遺障害等級の重さで支給が決定されます。

つまり、後遺障害給付を受けるためには、後遺障害等級の認定を受ける必要があるのです。

2 後遺障害等級認定を受けるにあたって

後遺障害等級認定を受けるためには、労働基準監督署に障害給付支給請求書という申請書類を提出し、その申請手続きの流れの中で、認定がなされることとなります。

障害給付支給請求書に記載する主な内容としては以下のものが挙げられます。
 ①労働保険番号
 ②労働者の氏名・住所・生年月日や所属事業所の名状・所在地
 ③事故日
 ④治癒日(症状固定日)
 ⑤災害の原因及び発生状況
 ⑥平均賃金や特別給与の年額
 ⑦振込希望口座

上記のように、後遺障害等級の認定を受けるためには、後遺障害の症状が固定している必要があります。この場合の治癒とは、完治を意味するものではなく、その状態から治療の効果がそれ以上見込めなくなることを指します。したがって治療により症状に変動が生じている間は、症状固定に至っているとはいえず、したがって後遺障害認定投球の申請をすることもできません。

次に、上記の記載をした障害給付支給請求書に事業主からの証明をもらう必要があります。この証明については、協力的な企業ばかりではないのが現実ですが、証明を拒むことは企業側には認められていないため、企業側の態度にめげずに請求することが大切です。

また、上記の書類に添付する形で、医師による診断書を提出することとなります。基本的に後遺障害等級の認定では、この医師の診断書が絶対視されるため、医師の診断書の記載内容はとても重要です。 

3 後遺障害等級認定を争う場合

上記障害給付支給申請書により後遺障害等級が認定された場合であっても、その認定された等級が労働者の期待よりも低い場合、労働者にはこの認定を争う手段が用意されています。その方法としては、①再審査請求を行う、②行政訴訟を提起するといった2通りが考えられます。後遺障害等級認定の争い方について、詳しくはこちらを参照してください。

4 最初の審査請求が最も重要

上記の通り、後遺障害等級の認定は、争うことができます。しかし、再審査請求や行政訴訟により、当初の後遺障害等級の認定が変更される可能性は極めて低いです。

そこで、最初の申請でいかに自分の主張をし尽くすことができるかが勝負となってきます。そして提出物の中でもっとも重要な医師の診断書については、1人の医師の診断書が満足のいかない記載内容である場合には、複数の医師に診断書を書いてもらい、その中から自己に有利な診断書を提出するなどの対応をするべきです。

5 まとめ

以上のように労災保険を受給するための申請については、自己の主張を十分に行う必要があるといえます。しかし審査請求手続きが始まった場合、審査請求手続きには期間制限があり、事故の当事者が後遺障害の内容・程度について十分な主張を行うことは困難であるかと思われます。しかし、弁護士はこれらの事態に対応することができるため、仮に後遺障害の認定を受けようとする場合には、弁護士に相談することをお勧めします。